【民泊トラブル】甚大な被害をもたらす火事。民泊での火事を防ぐためには?
[掲載日]2018/06/12 1718 -

民泊トラブルというと、外国人観光客による「騒音」や「ゴミ出し」が大きな問題になっていますが、民泊を営業するオーナーにとって、最も気を付けなければならないトラブルのひとつが「火事」でしょう。
ホテルや旅館とは違い、民泊は宿泊者が自由に利用できるキッチンがありますし、それを使用するのは主に外国人観光客ですから、火災のリスクは一般的な住宅よりも高いといえます。
小火騒ぎで済んだとしても、ご近所さんには迷惑がかかりますし、最悪の場合は宿泊者に死傷者が出たり、隣家に燃え移り甚大な被害をもたらす可能性もあります。
小火(ぼや)騒ぎ・火事の主な原因
- コンロからの出火
- タバコの不始末
- バーベキュー後の火の不始末
- 配線・配線器具からの出火
- 電気機器からの出火
- こたつ、ホットカーペットからの出火
コンロからの出火
日本人なら当たり前に知っている「ガス栓の開閉」「ガスコンロの火のつけ方」も外国人からすると当たり前ではありません。
外国語(英語は必須)で使い方マニュアルを作成するのはもちろんですが、火災事故を防止できる機能が備わっているコンロを設置しましょう。
- 消し忘れ防止機能付きコンロ・・・一定の時間が経過すると自動的に火を消してくれる
- 加熱防止装置付きコンロ・・・鍋底の温度が250℃になると自動的に消化し、加熱された油からの発火を防止する
- 立消え安全装置付きコンロ・・・吹きこぼれなどで火が消えるとガスを自動的に遮断し、漏洩事故などを防止できる
- チャイルドロック機能・・・お子様のいたずらによる点火を防ぐ点火ロック機能
「IHコンロ」は、火を使わないし、温度調節もできるから安全だと思っている人も多いと思いますが、IHコンロに対応していない調理器具を使用した事による火事が増えています。
また、「IHコンロ」は熱効率が良いので、油の量が少ないと短時間で高温に達してしまうため注意が必要です。
タバコの不始末
タバコの不始末による出火や、灰による汚れ、タバコのニオイが付くことを防ぐため「禁煙ルーム」として貸し出すのが一番ですが、禁煙と記していても、隠れて吸う人が後を絶ちません。
部屋にわかりやすい禁煙の貼り紙をするとともに、喫煙が確認された場合には「ハウスクリーニング費用」を請求することを明記しましょう。
ただ「ハウスクリーニング費用」を請求しても払ってもらえないこともあるようです。
電気器具からの出火
電気コードやプラグから出火したり、コンセントの部分に溜まったホコリが原因で発火する「トラッキング現象」による火事を防ぐため、清掃の際は、電気コードやプラグが破損していないか、コンセントにホコリは溜まっていないか点検するようにしましょう。
布団の近くに、ヒーターや電子蚊取り器を置くと、寝返りのときに布団がかかり出火することも、注意喚起しましょう。
電気カーペットは、6時間経過すると自動で電源がoffになる機能がついているので、消し忘れても安心ですが、火事になる可能性がないわけではありません。
ペットがカーペットを噛んだり、折りたたんで収納した際などに、カーペット内部のヒーター線が断線することがあり、気づかずに使用すると配線がショートして発火することもあります。
床暖房にも注意!
床暖房を知らない外国人もいます。
うっかり電源を入れて、床が熱くなりパニックになってしまう可能性もあるので注意が必要です。
収れん火災にも注意
収れん火災とは、レンズの作用で太陽光が集束されることで出火し発生する火災のことです。
ガラス製の置物や水槽、鏡、水の入ったペットボトルなど、思いがけないものが収れん火災の原因になります。
特に、冬場は太陽の高度が低く、部屋の奥まで光が差し込み、収れん火災が起きやすいため要注意です。
危険なものには注意喚起を。
出火の危険があるもの以外にも、ガス漏れや浴槽の空炊きによる異臭騒ぎも起こっています。
火を扱うものや、危険なものについては、ゲストの目に止まるように写真やイラストなどを用いたわかりやすいポスターや、使い方マニュアルを用意しましょう。
火事の際の避難マニュアルも必須です。